初心者
「Bill Evansのお勧めは?」
優しいオタク
「Waltz for Debby,Portrait in Jazz」
じっくり育てたいオタク
「Moon Beams,Undercurrent,You Must Believe in Spring」
沼に引きずり込みたいオタク
「At The Montreux,What's New,Since We Met」
関わってはいけないオタク
「Living Time」
普段Jazzを聴かない人に対して「凄いね」と言わせたい時はいつもRahsaan Roland Kirkを紹介している。何たって「凄いね」としか言いようがない。
盲目でありながら楽器を無数に、しかも同時に、時には鼻の穴で演奏することすらある異形っぷり。息継ぎ無しの21分間《Saxophone Concerto》は彼の伝説。
もう何度も紹介したが、普段Jazzと慣れ親しんでいない音楽リスナーにもこれだけ、これだけでもいいから聴いて欲しい...となる一枚はArt Blakeyの『Free For All』だ。
心地よい管楽器のユニゾン、パーソネル面での革新性は勿論、「分かりやすく楽しい」ジャズメッセンジャーズの取り柄はきちんと健在。
A Love Supreme / John Coltrane
迷い、信仰心、熱情、愛、その他諸々の混濁とした精神性をこれ以上ないくらい研ぎ澄まされたコンセプトでまとめ上げた大傑作。
原点に還って #ほぼ一言ジャズ名盤批評 を毎日やっていこうと思います。ジャズに興味があるけどよく分からんって方はご参考下さい。
Jazzの世界で面白いのが、大抵どんなレア楽器でも1人はその楽器でJazzを演っている人がいる事。
そんな訳でRufus Harleyは極めて珍しいJazzバグパイプ奏者。レアグルーヴ的な名盤『Re-Creation of the Gods』、バグパイプにオルガンとタイトなビートが絡みつく。是非一度でいいから聴いてみてほしい。
Miles Davisは盛んにメンバー同士を競わせてきた。
Coltraneには「Cannonballを見習え。アイツみたく起承転結のあるソロを吹いてみろ」、
Cannonballには「Coltraneを見習え。アイツみたく思いを込めて吹いてみろ」...終いにはお互いこれを知ってしまい「あのチビ親分また言ってるよ」となったようだ。
常々思っているが、電化Milesについて『Bitches Brew』や『On The Corner』が語られるのに対して、1973年から75年のバンドが評価されないのは絶対おかしい。
あれこそ第1、2期クインテットに比しうる偉大なバンドなのに。
"何だって演奏できたという意味で、図抜けて最高のバンドだった"
Miles Davis
YMOを通じて渡辺香津美さんとJazzの世界を知り、Jazzの世界を知ってから香津美さんの影響力を知る人は少なくないはずだ。
1981年、復帰直前のMilesが『Man with The Horn』の録音に誘ったのは有名な話。氏が偶々発言を聴き逃していなければ、Mike Sternに代わり日本人初のMiles門下生となっていたかも?
1973年、Weather ReportでSly & The Family StoneのGreg Erricoがドラムを叩いていた時代、メチャクチャカッコ良いのにスタジオ録音なしで今までブートでしか聴けなかったのだが、知らぬ間にサブスクで解禁されたらしい(ジャケも怪しいし、殆どブートっぽい感じだが)。
これは凄いよ、圧巻の演奏。
概史だとMilesのBitches Brewが出てすぐFusionが生まれたみたいな紹介のされ方をするが、個人的には前段階で「Jazz Rock時代」があったと思っている。
Tony Williams『Emergency!』、MilesのFillmore Live、Herbie Hancock『Mwandishi』、Weather Report『I Sing the Body Electric』、これらも必聴。
「Miles Davisを聴きたいけどよく分からない...」っていう人は題名に"What"と付く曲をひたすら聴くと良い。
そうです、"So What"
"What I Say"、"What They Do"、
"What It Is"の4曲です。
この"What"4部作、Miles自身の口癖だったからか随分と聴き易い(当社比)名曲揃いなのです。ぜひお試しあれ。
Miles Davis『Dark Magus』を初めて聴いた時の衝撃は忘れられない。
それは正しく雷に打たれたかの様な...
『Kind of Blue』か、『Dark Magus』か、前者で初めてMilesに入った人が100人中90人居るとして、後者で入った10人は例え10人でも熱狂度が違うはず。カルト的なMiles信者からすればバイブルだ。
Miles Davis、1973年レバノンでの出来事。戦争の熱が冷めやらぬ時期、演奏終わり楽屋に居ると外から銃声が響いた。すると男が走り抜けMilesの足元に倒れた。彼は言った。「これで死ねる」「貴方と会う迄生きられるなんて」「貴方の音楽で救われた。私は困難な時期を過ごしていたが、貴方の音楽は...」
Apple Musicのクレジットは1971年、しかし余りにも洗練されたトラックは2010年代の作品と言われても納得できる詳細不明な爽快グルーヴィー・ファンク、EastSide Auraの『Aura』。
RYMにも記載されていないし謎深まるばかりだが、このSly琉ファンクを聴いてしまえばそんな疑問も吹っ飛ぶ。これは凄い!
行きつけの美容院のお姉さん、Jazzを聴いてみたいとのことで、『Live at the Five Spot』なんか求めてないだろうからグッと堪えて『Waltz for Debby』、『Sings』を勧めつつ「最初は多分眠たくなるだけだと思います」と言っておいた。
そして案の定というかお風呂上がりに聴いてすぐ寝落ちしたらしい。
『Kind of Blue』で「オレってジャズに向いてないのかな...」と思われた方、ご安心ください。普段のツイート99%Jazz、マイルス・デイヴィスのアルバムを100枚以上持ってるくらいお熱の自分もマトモに聴いておりません。
それぐらいヘヴィーで深淵な一枚なので老後の楽しみとして取っておきましょう。
世界一格好良い音楽といえば即ちBill Evans『At Montreux』の《One For Helen》だ。Evansの最初の一音からヒリヒリとした雰囲気が流れ始める。これはインプロ、テーマ、空気感、観客、その全てが音楽的であるからこそ生じる現象。始めの「ミィダンミドモワゼルムスィュー」すら音楽的。
Mike SternがMiles Davisのバンドで初めて大舞台で演奏した1981/7/1のNY、後日彼について「ヘヴィメタルのイモ」と心無い言葉が新聞に寄稿された。
Mikeはひどく心痛めたが、それに対してMilesは「そんな奴らは気にするな。お前は俺に気に入られる様にすればいいんだ」と叱咤激励を飛ばしたという。
Miles Davisファンであれば言わずと知れた伝説の6月1日São Pauloのライブ盤(中央)が遂に届いたので小躍りしてる。
感想ですが...既にYouTube等で内容は知っていたものの、やっぱり凄い!
熱量、楽曲、自叙伝にも登場した超名演6月2日(右)を超えてる。ブート嫌いの人でもこの3枚だけは聴いた方がいい。
前にも紹介したが、Mingusの『黒い聖者と罪ある女』はやたらと海外での評価が高い。RYMのJazzランキングでは『A Love Supreme』や『Kind of Blue』を抑えて一位に輝いている。
暴力的としか言いようがないこのブラスセクションのぶつかり合い、確かにRockリスナーこそ聴くべきだと思われる。
『Kind of Blue』を聴くのも良いが、それに影響を与えた音楽を聴くのも中々にオツである。
アーマッド・ジャマル、ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番とラヴェルのピアノ協奏曲ト長調(ミケランジェリ、57年録音)、ギニアのアフリカバレエ。
スペース...空間性...いずれも影響を頷ける素晴らしい作品だ。
#これからジャズ聴いてみたい方への3枚
Four & More/Miles Davis
Free For All/Art Blakey & The Jazz Messengers
At The Five Spot Vol.2/Eric Dolphy
ロックリスナー向け。
「ジャズ?ナット・キング・コールとかフランク・シナトラの音楽でしょ?」そんな観念を打ち破ってくれます。