Sosuke Ito (伊藤 創祐) Profile
Sosuke Ito (伊藤 創祐)

@ito_sosuke

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東京大学理学系研究科附属生物普遍性研究機構(UBI)・准教授/物理学専攻A7(生物物理)/専門は非平衡統計力学、生物物理。 古典情報理論や情報の幾何学(情報幾何、最適輸送)と確率的or決定論的な非線形系における非平衡熱力学との関係を軸に理論物理の研究をしています。ありうる生物の情報処理の普遍法則を探究していきます。

東京大学 本郷キャンパス 理学部1号館
Joined August 2019
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
1 year
伊藤研では東京大学理学系研究科物理学専攻にて修士/博士課程学生を受け入れています。研究室に興味がある方はsosuke.ito@ubi.s.u-tokyo.ac.jpまでご連絡ください。.また予算の都合によりポスドクを募集している場合があります。ポスドクとしてくることに興味がある場合もお問合せください。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
6 days
特に、具体的なエントロピー生成最小のプロトコルの構成や、2-Wasserstein距離を一般にどう拡張すべきかの構成法を与えている上、幾何的に低次元空間で軌道を書くプログラムなど、とても色々なことをリバイズでやっていて、非常にマッシブかつディープな結果になっています.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
6 days
こちらの論文、出版されてます。.一年半かけて不本意な結果に終わってしまったのは少し残念ではありますが、依然としてこの論文の価値は高く、最適輸送と熱力学の最新の技術がふんだんに使われた反応拡散の論文として優れたものだと思います。.
@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 years
M2の永山くんの新作がarXivに上がりました。反応拡散系におけるパターン形成に特化した熱力学的トレードオフ関係&最適輸送です。D2の吉村くんと元ポスドクのArtemyさんとの共著です.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
20 days
RT @KyotoPrize: 🎖第40回 (2025) 京都賞先端技術部門の受賞者は、数理工学者の甘利 俊一博士に決まりました! 業績は「人工知能の理論的基盤を拓く先駆的貢献と情報幾何学の確立」です。. #第40回京都賞.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
21 days
Santa Fe Instituteでthermodynamic trade-offsのチュートリアルトークを月曜日にしました。需要がありそうなので公開します。.
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Sosuke Ito (伊藤 創祐)
1 month
アクセプトされました!.非平衡熱力学の価値を高める重要な論文になると思うので、池田くんと力を合わせてプレスリリースの準備に取り組みます….
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Sosuke Ito (伊藤 創祐)
4 months
ここ数ヶ月拡散モデルの論文[も再投稿に向けて共著者の池田くんと色々とやっていました。.特に2次元の非保存力がある拡散モデルをやったり、ちゃんとlatent spaceで現実的な画像生成を議論したり, loss関数有限の場合への拡張など地味にバージョンアップをしています。
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
あとは2002年のHermisson et al.の論文で提示されている事実(ペロンフロベニウス根の左右固有ベクトルから定常状態や静的応答が得られること)自体がそもそも面白いです。.このような背景があるので、一見表現的に非負に見えなくても定常分布は非負でなければならないのは面白ポイントです。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
あと面白いのはCarleyの定理の拡張になっていたりとか、いわゆる伝統的なグラフ理論の数え上げのトピックを拡張しているとも思うことができるとかですかね。まあコーシービネの定理とかクラメルの公式(余因子行列)とか、実際に使っている道具は基本同じなのでさもありなんですが。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
いずれにせよ、今回の結果は各論的ではない一般的な表現を与えるものなので、各論的な議論が多い進化ダイナミクスの議論に新たな方向性を与えると思っています。言い方を変えるとカノニカル分布の拡張なので、最終的には平衡統計力学のカノニカル分布くらいの重要な概念に発展することを期待してます。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
なので、できそうに見えて実際にやるのは困難を生じる系の研究なのではないか、という気がします。少なくとも今回の0/1ループ森という概念は僕の知る限り新しい概念です。(むしろ数学の研究で関連する概念の知見があれば教えてください。).
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
特筆すべきはその証明の重さで、元々の行列木定理の証明(例えば高崎金久「線形代数とネットワーク」では、1章分この証明に割かれています)すら重たいのですが、それをさらにより複雑化させたところです。実際appendixのほとんどが証明に割かれており、2コラムで10ページくらいの証明になりました。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
この結果は片山くんが、色々と最近の非平衡熱力学のノリで進化ダイナミクスを議論しようと悪戦苦闘している時に、2002年の文献(Hermisson et al., 定常分布や静的応答の固有ベクトルによる表現)を発見したことで見出していった結果になります。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
面白いことに、これらの応答性も定常分布の表現も自己増殖の効果が無視でき、普通のマスター方程式の記述を回復する極限(全てのfitness R_iが種iによらず一定)では、通常の行列木定理の表現を与えることです。また、解は自己無撞着的だけれど、平均適応度という実験的に測定可能な量では閉じています。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
また平均適応度の定常応答についても同様の記述ができます。ここで面白いのは、自己増殖の寄与Rを0にもっていく極限できちんと元のMarkov networkにおける行列木定理の表現を回復します。.(なぜなら0/1ループ森は定義から、極大木を含むためです。)
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
具体的な例は論文の図を見るのがおそらくわかりやすいと思います。例えば定常状態の分布πの比は次のように得られます。(定常状態の比が一般に得られるので、定常状態そのものも同じように計算が可能です)
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
具体的には、極大木の代わりに新たなグラフ的概念である、0/1ループ森という、ループとサイクルのない極大木の1つのcomponentと、極大木にループを1つつけた0以上のcomponentsでかけるグラフの概念とその重みを導入することで、自己無撞着的な解をグラフの重みで得ることに成功しました。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
この「定常状態」と、定常状態での平均適応度をダイナミクスのパラメータで偏微分した「静的応答」について、行列木定理的記述が可能なことを示しました。行列木定理はKirchhoffの電気回路理論を源流とした重要な概念ですが、そこに進化ダイナミクスへの拡張という新しい方向性を示したと言えます。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
この非線形マスター方程式のクラスでも、全体としての個体数は平均適応度を指数としたexponential growthをするものの、個体間の比率は一定に落ち着く「定常状態」を定義可能です。これは非線形マスター方程式の解とも思えます。(人によっては成長定常状態などともいいます。).
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
一方でCrowやKimuraが考えているような進化のダイナミクスでは自己増殖の寄与があるため、一般には普通のマスター方程式では書けず、対角項に平均適応度という現在の分布での平均値が入る非線形マスター方程式のクラスに属します。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
これは線形なmaster方程式で記述でき、irreducibleなどの仮定が成り立つ場合に使うことができます。この時定常状態はダイナミクスから得られるMarkov networksにおける極大木というものに対する重みを使って記述できます。.
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@ito_sosuke
Sosuke Ito (伊藤 創祐)
2 months
平衡状態ではカノニカル分布で記述されることはよく知られていますが、確率過程で記述される非平衡定常状態ではグラフの重みを使う行列木定理(e.g., Markov chain tree theorem)がHillによって提案されSchnakenbergによって広まり、今では非平衡定常系を扱うときのツールとして使われています。.
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