古屋公章
@kimiakifuruya
Followers
574
Following
50K
Media
220
Statuses
309
#名刺代わりの本10選 ユルスナールの靴/須賀敦子 郊外へ/堀江敏幸 夏の砦/辻邦生 中世の窓から/阿部謹也 許されざる者/辻原登 記憶よ、語れ:自伝再訪/ナボコフ 独り居の日記/メイ·サートン 舞踏会へ向かう三人の農夫/パワーズ 嵐が丘/エミリー·ブロンテ ハドリアヌス帝の回想/ユルスナール
1
4
399
「光の美術 モザイク」益田朋幸。モザイクという技法は非常に興味深い。人は絵を永遠に残すため、主に石を素材とするモザイク画を作り上げた。本書はモザイクの歴史を俯瞰し、ローマ帝国、キリスト教美術について詳しく記述する。カラー図版も豊富で入門書としても最適だ。#岩波新書
0
1
19
「夜ひらく」辻邦生。欧州の都市を舞台にした短編集。美術がモチーフにはっており、不思議なストーリーは奇譚小説の趣がある。辻邦生ならではの端正な文体と魅力。あとがきによるの一種のパスティーシュとして書かれたそうであるが、そうした元ネタが分からなくても十分楽しめる作品だ。#辻邦生
0
0
13
「ラテン語の世界史」村上寛。現在の言語にもその痕跡が残るラテン語。ローマ帝国とその後のキリスト教世界で公用語となった歴史は知られている。本書はラテン語の歴史を様々なコラムと共に記述する。世界史に興味がある方も興味深く読めると思う。#ちくま新書
0
2
13
「土佐日記」紀貫之·堀江敏幸訳。日記文学の古典が、堀江敏幸さんの端正な文体で現代語に蘇った。1000年前に書かれたことが、まるで今のことのように感じられるのは流石だ。仏文学者として有名な堀江さんは日本文学を志したことがあったそうで、そうした思いが訳文に現れているように感じる。#土佐日記
0
0
16
「不意撃ち」辻原登。表題作を含む五作の短編集。日常生活の中に突然起きる不思議な出来事から思わぬ方向へ向かうストーリーは非常に読み応えがある。個人的に「渡鹿野」「Delusion」が特に印象に残った。小説を読む楽しみが詰まった一冊。#辻原登
0
0
7
「反解釈」スーザン·ソンタグ。スーザン·ソンタグ最初期の文芸評論集。芸術は解釈ではなく形式を受容すること説いた表題作など、現在の様々な批評の基礎となる考察が詰まっている。批評を一段高い位置へ導いたのは間違いなくソンタグだろう。ある意味古典と言える一冊。#スーザンソンタグ
0
1
55
「創造者」ボルヘス。1950年代までの詩·散文を収録。神話や意匠からの膨大な引用はボルヘスならでは。抽象的な表現も大きな魅力に感じてしまう。必要な部分をきちんと押さえた注釈も素晴らしい。幻想とユーモア、めくるめくボルヘスの文学の世界を体感出来る一冊。#岩波文庫 #ボルヘス
0
0
38
「無垢の時代」イーディス·ウォートン。舞台は1870年代·米国ニューヨークの上流社会。様々なルールや暗黙の了解で品性を保つ世界は、現在の視点で読むと浮世離れした感覚にとらわれる。ヨーロッパ帰りで主人公の幼馴染みのエレンの存在が印象的だ。古い社会と新しい価値観の対比が見事だ。#岩波文庫
0
0
33
「マノンの肉体」辻原登。三篇の短編小説集。特にアベ·プレヴォーの「マノン·レスコー」からストーリーが展開する表題作は、巧みな構成が印象的だ。全体的にエンターテイメント性が抑えられているが、一気に読ませる文体は流石だ。#辻原登 #講談社文庫
0
0
15
「女性画家列伝」若桑みどり。美術史家として数多くの作品を世に出した著者が、女性画家という切り口で美術を掘り下げた一冊。画家の作品のみならず、活躍した時代背景にも踏み込んでいる。個人的に日本初のイコン画家である山下りんが興味深かったが、初版が1985年であり、現在とのギャップも感じた。
0
0
25
「メディアの生成」水越伸。20世紀の幕開けと共に急速に広まったラジオ。本書は副題の通り米国のラジオ発展史を詳細に記述している。今日のマス·メディアの持つ形態或いは文化は100年前のラジオによって形成されたことが良く分かる。元となった著書は30年前の発刊だが、全く古さを感じさせない。
0
0
16
「快楽としてのミステリー」丸谷才一。探偵小説の愛���者でもあった丸谷才一の書評集。ドイル、ポー、チャンドラーといったは勿論、エーコや松本清張といった作家も取り上げられている。対談集も多く、非常に楽しい内容。洒脱な雰囲気の書評は、文章の名手·丸谷才一の面目躍如と言える。#ちくま文庫
1
0
73
「マグナ·グラケニア」ルネ·ホッケ。イタリア南部、かつてギリシア植民都市であった土地を、ある一人の男の視点から描いた小説。紀元前8世紀と近世·現在が絶妙に同居し、紀行文とは異なる位相から歴史が明らかになっていく。ヨーロッパのルーツである古代ギリシアの余韻を感じることが出来る一冊。
0
1
51
「沈黙の中世史」後藤里菜。副題にあるとおり、人々の感情を通りしてヨーロッパ中世を綴った労作。文化の中心であった修道院における様々な「声」に関する研究が主だが、俗世界の人々の感情も取り上げられており、非常に興味深い。500年以上前のヨーロッパを鮮やかに描いた一冊。#ちくま新書
0
1
33
「夜中にジャムを煮る」平松洋子。食について様々な作品を世に出している著者のエッセイ集。表題作の「夜中にジャムを煮る」は、日々の生活と料理の関係が綴られており、個人的に好きなエッセイだ。写真とレシピが付いているのも楽しい。食事という人間にとって欠かせない行為を鮮やかに描いた一冊。
0
0
20
「バロック美術 西洋文化の爛熟」宮下規久朗。17世紀の西洋で、絵画·建築·彫刻といった分野で大きなムーブメントとなったバロック様式。本書は今なお人々を惹き付けてやまない作品が生まれた背景を、美術史から俯瞰した概説書。ユニークな視点で美術を読み解く著者による的確かつ新鮮な内容の一冊。
0
1
26
「コッド岬 浜辺の散策」ヘンリー·D·ソロー。米国の著名な作家·詩人であるソローが、マサチューセッツ州の海辺を探訪した経験を綴った紀行文。時に荒々しい様相を見せる浜辺を文学的·詩的に描く。また、作品全体的にルポルタージュに近い印象があるのは、博物学者の顔を持つ著者の面目躍如だろう。
0
0
36
「近代美学入門」井上陽子。かつて絵画や建築は職人によって作り上げられた技術の粋であった。一方、所謂近代美術は17世紀以降に確立した概念である。本書は技術が芸術へと変容する過程と美学の概念を丁寧に記述した入門書。豊富な図版も魅力的だ。#ちくま新書 #近代美術入門
0
0
29
「現代フランス哲学」渡名喜庸哲。フーコー、ドゥルーズ、デリダといった所謂フランス現代思想を担った哲学者達が活躍したのは30年近く前であり、既に「現代」ではなくなくなっている。本書は現代のフランスが取り組む哲学的な命題を解説した好著。様々な問題を柔軟に読み解くフランス哲学は今も健在だ
1
1
43