ezu
@O0Ohiru
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泣いている僕を心配してくれていることだけは分かって、それがまた幸せで、🦚は更に涙が溢れる。そんな風に🦚が泣き止まないから、🛁はもう大慌てで、かかりつけの動物病院に急いで電話をするのだった。
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そして「みゃぅ……」と泣き始めてしまった。ぽろぽろと涙が零れる。それを見た🛁は慌てて🦚の顔を覗き込み「どうした。どこか苦しいのか? お腹か? お腹が痛いのか?」と尋ねる。🛁のすごく心配そうな顔が近くにあって、彼が何を言っているかは分からないけど、
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こんなに優しい人が、僕を見つけてくれて、大事にしてくれる。そんな奇跡みたいなことがあっていいのかな。夢じゃないのかな。今まで辛い目に遭ってばかりだった🦚は、慣れない幸せにどうしたらいいか分からなくて、胸がいっぱいで苦しくて、そのオーロラ色の瞳に涙を浮かべる。
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やっと出てきてくれた🦚を見下ろして、🛁は「ふ」と小さく笑う。それから「いい子だ」と囁いて、大きくて温か���手で🦚を撫でる。そうして何度も優しく撫でてくれて、🦚は次第に体の力を抜いて、🛁のお腹に寄り掛かるようにした。れーしおは、どうしてこんなに優しいんだろう。
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れーしお、どうしてそこにいるの?もしかして、僕のそばにいてくれるの? そう思うと、🦚の小さな心臓は きゅうと締め付けられた。まだ外は怖いけど、もっとレいシ才のそばに行きたくて、🦚は ゆっくりとクローゼットから出た。そして🛁の膝の上にちょこんと乗っかる。
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🛁は赤銅色の瞳を優しく細めて🦚を見つめる。「僕がここで君を守るから、何も怖くない。落ち着くまでそこにいていい」と言って、🛁は最後に自分の上着をそっと🦚の体にかけると、その後はもう🦚を刺激しないように静かにするのだった。🦚は少し身を乗り出して、そんな🛁を じぃっと見つめる。
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と言うように「みゃあみゃあ」と鳴いた。🦚の言いたいことが伝わったのか、🛁は少し残念そうな顔をしながらも「む……。入るのは無理そうだな」と諦めた。その代わり、クローゼットのすぐ横に腰を下ろして、壁に寄り掛かる。そして「仕方ない。ここで妥協しよう」と呟いた。
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中に入ろうとするとクローゼットが ぎしぎしと悲鳴を上げた。壊れてしまいそうだ。まさか🛁が入ってこようとするなんて思ってもみなくて、🦚は顔を上げてオーロラ色の瞳をまん丸くする。れーしお、何やってるの? 壊れちゃうよ。だめ。危ないよ。怪我しちゃうよ。
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「嫌なのか?」と聞くけど、🦚は更に小さく丸まるばかりだ。困ったな。こんな状態の彼を一人ぼっちにしたくない。だから🛁は「それなら僕も一緒にいよう」と言って、自分もクローゼットに入ろうとする。でも、🛁の体はすごく大きくて逞しいから、
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そうして暗くて冷たい場所から出てこなくなってしまって、心配になった🛁は「アベん千ュリン」と呼んで、そっとクローゼットの中を覗いた。「大丈夫だ。何も怖くない」と優しい声で囁いて、伸ばした手で🦚を抱き上げようとするけど、🦚は嫌がるように「みいみい」と鳴く。
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そのまま歯を立てられたりはせずに、いつも通りに優しく抱っこされて、砂糖を入れた紅茶のように甘い瞳で見つめられた。(今日は食べない?)(おでこに口をくっつけたのは、味見?)と思いつつ、まだ🛁と一緒にいられることが嬉しくて、🦚は「にゃう」と鳴いて🛁の頬に桃色の鼻を擦り寄せた。
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🛁の口元に小さな頭を擦りつける。そんな🦚を見て、🛁は「どうした。遊びたいのか?」と甘く低い声で笑うと、大きな手で優しく🦚を抱き上げて、ふわふわの毛に覆われた額に「ちゅ」とキスをする。🛁の口が近づいてきて(食べられる)と思った🦚は思わず「み」と声を漏らすけど、
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でも、れーしおがどうしても食べたいなら、僕……。僕、がんばる!と決意して、ソファに座って優雅に本を読んでいる🛁の元へ ちたちたっと駆け寄って、彼の膝に乗り上げる。(食べていいよ)(れーしおだけ)(僕、がんばるよ)と言う風に、一生懸命に背伸びをして、短い前足を伸ばし、
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レイチュリ お野菜を育てるのは、食べるため。豚さんを育てるのも、食べるため。と知った猫チュリ。(じゃあ、れーしおが僕を大事にしてくれるのは、僕を食べるため…?)と思って、ぷるぷると震える。食べられるのはやだ。食べられたら、もうれーしおに撫でて貰えない。ぎゅってして貰えない……。
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もしかしたら れーしおはまだ僕と一緒にいてくれるのかも……? と、🦚は少しずつ不安じゃなくなる。まだお別れじゃない? もう少し一緒にいられる? そう思いながら、🛁の腕に抱かれたまま彼を見上げて「みゃう」と鳴くと、🛁は優しく瞳を細めて「どうした?」と聞き返してくれる。
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苦しい病気などではなかったことに安堵しつつも、🛁は元気のない🦚を放っておけなくて、その日から暫くは在宅の仕事に切り替え、一日中ずっと🦚のそばにいるのだった。🛁がずうっと抱っこしててくれるし、あの日以来 彼から違う子の匂いがすることは一度もなくて、
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